「そして、ぼくは旅に出た。」
2022.9.20
最初に「もりはみている」という絵本を図書館で借りて、子どもたちに読ませたら、なかなかいい絵本だった。田舎に引っ越して、山の中を車で走ることが多いのだけれど、動物注意の看板を見つけて、「動物いるかな?」と目を凝らして探すものの、野生動物に出会えることはほとんどない。動物は人間の存在に気づいているけれど、姿を現さないだけなんだな...と当たり前のことに気づく。
この絵本は、日本ではない森だなと思い、作者のことが気になり、他の絵本も借りてみることに。
「春を探して」「ノースウッズの森で」
読み聞かせすると、けっこう読み応えがあり、あきちゃうかな?と思ったけれど、6歳の長男はものすごく食いついた。一人称が「ぼく」で、何度も「ぼくはどこにいるの?」と聞かれた。「ぼくは写真を撮ってる人だから、写ってないんだよ」と説明しても、絵本の主人公が出てこないのは、不思議そうだった。「春を探して」のカヌーの旅が新鮮で、ノースウッズに俄然興味がわいた私は、作者の他の本も借りてみることに。
そして、冒頭の「そして、ぼくは旅に出た。」と写真集。
エッセイは作者が写真家になろうと決めて、初めてノースウッズを旅した時の話。この話だけでも、何かこれから始めてみようと思う人に勇気と希望を与えてくれる話だなと思うのに、この作者が後に土門拳賞を受賞。写真集の序文を、エッセイに出てくる写真家のジム・ブランデンバーグが書いていて、胸がいっぱいになった。
情熱だけですべては語れず、滲み出る品の良さ、謙虚さ、誠実さ、そして地道な努力。素敵な人だなと思った。わが子らがこの先進路で悩む頃に読んで欲しい。
